轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

にひゃくとおか

二百十日

夏目 漱石

两个男人漫无目的地散步闲聊,从寺庙到马掌,看似无聊的对话里藏着什么?一场暴风雨即将打破这份悠闲。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,466 字 · 60 页

青空文庫

「その赤い本が、何でもその、竹刀を落したり、小手を取られるんだあね」と碌さんは、どこまでも真似をする。

「何だろう、あの本は」

「伊賀の水月さ」と碌さんは、躊躇なく答えた。

「伊賀の水月? 伊賀の水月た何だい」

「伊賀の水月を知らないのかい」

「知らない。知らなければ恥かな」と圭さんはちょっと首を捻った。

「恥じゃないが話せないよ」

「話せない? なぜ」

「なぜって、君、荒木又右衛門を知らないか」

「うん、又右衛門か」

「知ってるのかい」と碌さんまた湯の中へ這入る。圭さんはまた槽のなかへ突立った。

「もう仁王の行水は御免だよ」

「もう大丈夫、背中はあらわない。あまり這入ってると逆上るから、時々こう立つのさ」

「ただ立つばかりなら、安心だ。――それで、その、荒木又右衛門を知ってるかい」

「又右衛門? そうさ、どこかで聞いたようだね。豊臣秀吉の家来じゃないか」と圭さん、飛んでもない事を云う。

「ハハハハこいつはあきれた。華族や金持ちを豆腐屋にするだなんて、えらい事を云うが、どうも何も知らないね」

「じゃ待った。少し考えるから。又右衛門だね。又右衛門、荒木又右衛門だね。待ちたまえよ、荒木の又右衛門と。