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にひゃくとおか

二百十日

夏目 漱石

两个男人漫无目的地散步闲聊,从寺庙到马掌,看似无聊的对话里藏着什么?一场暴风雨即将打破这份悠闲。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,466 字 · 60 页

青空文庫

あとから、すぐ新しい音が耳を掠めて、翻える木の葉と共にまた北の方へ走る。碌さんは首を縮めて、えっと舌打ちをした。

一時間ほどで林は尽きる。尽きると云わんよりは、一度に消えると云う方が適当であろう。ふり返る、後は知らず、貫いて来た一筋道のほかは、東も西も茫々たる青草が波を打って幾段となく連なる後から、むくむくと黒い煙りが持ち上がってくる。噴火口こそ見えないが、煙りの出るのは、つい鼻の先である。

林が尽きて、青い原を半丁と行かぬ所に、大入道の圭さんが空を仰いで立っている。蝙蝠傘は畳んだまま、帽子さえ、被らずに毬栗頭をぬっくと草から上へ突き出して地形を見廻している様子だ。

「おうい。少し待ってくれ」

「おうい。荒れて来たぞ。荒れて来たぞうう。しっかりしろう」

「しっかりするから、少し待ってくれえ」と碌さんは一生懸命に草のなかを這い上がる。ようやく追いつく碌さんを待ち受けて、

「おい何をぐずぐずしているんだ」と圭さんが遣っつける。

「だから饂飩じゃ駄目だと云ったんだ。ああ苦しい。――おい君の顔はどうしたんだ。真黒だ」

「そうか、君のも真黒だ」

圭さんは、無雑作に白地の浴衣の片袖で、頭から顔を撫で廻す。