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ごかねんけいかくとソヴェトのげいじゅつ
五ヵ年計画とソヴェトの芸術
宮本 百合子
「ナップ」1931(昭和6)年1、2、4~8、10月号、「プロレタリア文学」1932(昭和7)年1月創刊号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,485 字 · 116 页
読者は文化的に高まるにつれ、文学作品を自分の経験とは独立して存在する芸術品として見るようになって来た。
加うるに、十月革命のときにはやっと五つか六つであった子供等が、既に青年となって読者層に参加して来た。
ソヴェトの若い新市民たちは、親、兄、姉のような自覚をもって、革命前後を経験しなかった。表現や描写の不完全な作品をよんでもそのすき間を補ってゆくような国内戦時代の自分達の経験、或る場合には感傷を持ち合せていない。だから若い読者は、容赦ない批評家として立ち現れたのである。新しいひろい社会性の上に立ち、集団生活の中で大きくなって来ている彼等は、或る時、作者よりはズッと正確な革命的・階級的観点で、当時の民衆の歴史的役割を観る力をもちはじめている。
グラトコフのロマンチシズム、ピリニャークの傍観的な態度、それ等は、文学専門家の間で、クーズニッツァ(鍛冶屋派)及び同伴者の芸術理論として検討されるだけではなくなった。工場のコムソモールが、図書部で作品集をかりて来て、それをよんで、生活的に育っている階級的感覚から、飾りなく、どうもこういう作品は俺たちのもんじゃないや! と云うようになって来たのであった。