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ごかねんけいかくとソヴェトのげいじゅつ

五ヵ年計画とソヴェトの芸術

宮本 百合子

「ナップ」1931(昭和6)年1、2、4~8、10月号、「プロレタリア文学」1932(昭和7)年1月創刊号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,485 字 · 116 页

青空文庫

「なんでも黒い髪をたらした女が踊ってるんだ、半分裸でよ。その女の前にある皿に、男の首がのっかってるんだ」

「俺等そんな絵にゃ用がないよ。ちょんぎられた首なんぞ! 欲しいのは、例えばだナ、うちの工場が盛に働いてるところを描いた絵や、ウダールニクだとか軽騎隊の活動だとかを描いたもん――つまり、われわれの社会主義的建設の記念となる絵がほしいじゃないか」

「異議なし!」

「賛成!」

工場委員会文化部は、そこで、ニージュニ・ノヴゴロドのプロレタリア美術団に新しい講堂の壁画について交渉をはじめる。場合によってはモスクワへたのんで来る。そこで、画家は絵具箱をもって工場へと出かけて行く。

だが、画家たちは、構図をきめるにしろ、先ずソヴェト・フォード工場の生産的活動とその革命的意義とを十分理解しなければならぬ。その工場でウダールニクはどんな階級闘争の歴史をもって組織され、成員はどんな連中であるかを知らないで、そこの労働者クラブを飾る壁画、見るものを鼓舞するような絵は描けない。

芸術家と勤労者とは手にもっている道具の違うことについて新しい自覚をもたざるを得なくなった。画家は労働者と同じものを食べ、その職場で、率直な批判や要求の中にあって、製作する機会が非常に多くなって来た。