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ごかねんけいかくとソヴェトのげいじゅつ

五ヵ年計画とソヴェトの芸術

宮本 百合子

「ナップ」1931(昭和6)年1、2、4~8、10月号、「プロレタリア文学」1932(昭和7)年1月創刊号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,485 字 · 116 页

青空文庫

彼がこの主題に着目したことには積極的な価値があった。けれどもこの主題の理解のしかた、扱いかたに問題があった。

ベズィメンスキーは「射撃」の中に、社会主義的善玉・悪玉を簡単に対立させた。その電車製作工場内に、ウダールニクを組織したコムソモールを中心とする男女労働者は、階級的誤謬を犯したいと思っても犯せないような善玉。対立して描かれている工場内反革命分子は、徹頭徹尾の悪玉だ。

劇の第一幕から終りまで、二つの型の対立的争闘が描かれてあるだけで、卓抜で精力的なコムソモールは、反動傾向の中にまじっている浮動的な分子を正しい建設に協力させ獲得するために組織的努力をすることも見落されているし、推移する工場内の情勢がおのずから反動派の内部に或る動揺や分裂を起させるという現実をも見ていない。

党は、青年部にそういう消極的な戦術についての指令は、どんな時にでも与えたことはなかったというのが、第一の若い大衆からの批判であった。まして、社会主義的戦線の拡大と強化に熱中している一九二八年以来の実際に即して観察すれば、作家ベズィメンスキーのそういう理解は、明かに一つの非弁証主義的誤りであることが指摘されたのは当然であると思う。