轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じんせいせいかいいん

人生正会員

佐々木 邦

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1941(昭和16)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,238 字 · 23 页

青空文庫

皆正会員になって、ジャン/\やる。俺も好い加減頭が鈍いよ。彼方へ打っ突かり、此方へ打っ突かりして、漸く本当のところへ漕ぎつけたんだから」

と社長は心境の変化を説明した。

僕は悉皆納得が行った。同時に人生正会員という言葉が頭の中に残った。僕は矢張り社長を尊敬しているから、社長から暗示を受けると強く利く。

「何? あなた、人生正会員ってのは」

と妻が疑問を起した。家でも頻りに口走ったのだった。

「この間も話した通り、社長はもうお念仏をやめた。これからは元通りになって、人生の正会員で行くと言っている」

「正会員って?」

「本当の会員さ。人生の正会員になって、ジャン/\やるそうだ」

「無論そうでしょう。三十七のお嫁さんが欲しいんですから」

「成程。それじゃその前提かな?」

「狸よ。叔父さんは」

「融通が利くというのか、それからそれと考えて妙な理窟をつける」

「神通自在でしょう。あなたなんか迚も敵いませんわ」

社長は実際事業欲で張り切っていた。一年ぶりで仕事に油が乗って来たのだろう。然るに会社の隅々には小半年前の評判が消え残っている。社長は念仏に凝って社員の俸給を上げることを忘れているともいい、会社をやめて西国巡礼に出掛けるともいう。