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じんぞうにんげんのひみつ
人造人間の秘密
海野 十三
「小学六年生」1940(昭和15)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,664 字 · 38 页
あの小屋のことが知りたいのかね。見ていれば、今にわかるよ」
そういい捨てて、フリッツ大尉は、右手をあげた。それは、試験始めの合図であった。一人の技師が、配電盤のうえについているスイッチを、ぱちりと入れ、そして計器の表をみながら、ハンドルをまわした。他の一人が、九千五百、一万……と、しきりに数字を読みあげる。
「右向け、右!」
フリッツ大尉が叫ぶと、もう一人の技士が、配電盤上のタイプライターのキイのように並んだ釦を、ぽんぽんぽんと叩いた。とたんに、人造人間は、一せいに右へ向いた。生きている軍隊よりもあざやかに、まるで、珠算のたまが、一せいに落ちるようであった。
「四列縦隊で、前へ!」
ぽんぽんぽんと、また、別なキイが、技師の手によって、叩かれる。
かつッと、金属製の靴が鳴ったかと思うと、すぐさま四列縦隊が出来、ついで、この縦隊はすッすッすッと、小きざみな足取で歩きだした。生きている兵士の二倍ぐらいの速さである。
「全速、駈け足、おい!」
ひゅーンと、妙な機械的な呻りがしたかと思うと、人造人間縦隊は、私たちの入っている指揮塔のまわりを、まるで、玩具の列車のように、隊伍整然と、そして目がまわるほどの速さでまわりだした。