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じんぞうにんげんのひみつ

人造人間の秘密

海野 十三

「小学六年生」1940(昭和15)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,664 字 · 38 页

青空文庫

「フリッツ大尉。これは、どうもへんですぞ」

と、彼は、大きなこえで、どなった。

大尉は、びっくりしたような顔になって、箱の中にひそんでいた技師を、そばによびよせ、

「なにが、へんだ」

と、きいた。

「なにがって、エッキス光線で、今の人造人間の腹の中をみていたのですが、腹の中にあるたくさんの歯車のうちで、ついに一度もまわらなかった歯車が二個ありました。へんじゃありませんか」

技師は、熱心を面にあらわしていった。

「まわらない歯車が二個もあったか。どうしたわけだろう」

と、大尉は私の顔を、じろりと睨んだ。

だが、何を、私が知っているものか。

「あらゆる号令は、かけてみたつもりだが、はて、へんだな」

と、大尉は、なおも解せぬ面持で、広い額を、とんとんと拳で叩いた。

「なぜだろうな、セン。説明したまえ」

「私が、なにを知っているものですか。あの筒の中に、こんなすばらしい設計図が入っていると知ったら、私は、あんなところにぐずぐずしていませんよ」

「ふしぎだ。が、まあ今日のところは、これでいいだろう」

と、フリッツ大尉は、試験の終了を宣したのであった。

私たちは、檻を開いて、外に出たが、そのとき大尉は、私に向い、