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じんぞうにんげんのひみつ

人造人間の秘密

海野 十三

「小学六年生」1940(昭和15)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,664 字 · 38 页

青空文庫

廊下にも階段にも、歩哨一人、立っていないのだ。

私たちは、らくに、指揮塔の中に忍びこむことが出来た。

「これからどうなさるの」

「これから、人造人間の背中に、おんぶされて、ここを脱出するのだ」

「まあ、そんなことが、ほんとに出来るかしら」

ニーナは、目を丸くしている。

脱出

「わけなしだ。ニーナ、見ているがいい」

私は、指揮塔の、配電盤のキイを、ぽンぽンぽンと押した。

その次の瞬間、私は人造人間が、がちゃンがちゃンと音をたてて、こっちへ歩いてくるのを予想していた。ところが、そうはいかなかった。場内に並んだ人造人間は、林のように、しずまっている。

「へんだなあ」

「それごらんなさい。人造人間は、うごかないじゃありませんか」

「そんなはずはないんだが……今押した人造人間は、故障かもしれない。他の人造人間をうごかしてみよう」

私は、別なキイを押した。ところが、やはり駄目だった。人造人間は、うごかない。私は、焦ってきた。そこで、私は最後の試みとして、あらゆるキイを押して、そこに並んでいる人造人間のすべてをうごかすように試みた。すると、ふしぎにも、最後にキイを押した三人の人造人間が列をはなれて、指揮塔内に入ってきた。