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じんぞうにんげんせんしゃのきみつ

人造人間戦車の機密

海野 十三

――金博士シリーズ・2――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,501 字 · 19 页

青空文庫

太鼓は、いやに無気味な音をたてて鳴り響いている。九本の狼烟は、まるで竜巻のコンクールのように、大空を下から突きあげている。その合図をうけとった原地人が、砂漠の東から西から南から北から、蟻のように集り寄ってくるのが見られる。なんという夥しい数であろうか。千や二千ではない。すくなくとも万をもって数える夥しい原地人の数であった。

醤は、これを見て、ちょっと顔色をかえたが、すぐ思い直したように、瘠せた肩をそびやかせて、強いて笑顔をつくった。

「ははは、たとい、あの何万の原地人が攻めて来ても、われには人造人間戦車隊があるんだ。鋼鉄製の人造人間に命令電波をさっと送れば、たちまち鋼鉄の戦車となって、貴様たちを、苺クリームのように潰し去るであろう。わが機械化兵団の偉力を、今に思いしらせてやるぞ」

と、そこまでは、威勢のいい声を出して、見得を切ったが、その後で、急に情けない声になって、

「……しかし、大丈夫かなあ。油学士の奴、おちついていやがって、部分品を作って数を揃えたはいいが、未だに試験をしていないのだ。電波のスイッチを入れたとたんに、うまくスクラムとやらを組んで戦車になってくれればいいが、万一人造人間の愚鈍な進軍だけが続くようでは、原地人軍は、その間に人造人間の頭の上をとび越えて、わが陣営へ攻めこんでくるであろう。