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じんぞうにんげんせんしゃのきみつ
人造人間戦車の機密
海野 十三
――金博士シリーズ・2――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,501 字 · 19 页
「……あのう、それ、人造人間戦車の設計図をお譲り願ってこいと申されました。どうぞ、ぜひに……」
「あれッ。ちょっと待て。わしが極秘にしている人造人間戦車の発明を、どうして、どこで知ったか」
「それはもう、地獄耳でございます。それを下されば、このカンガルーの燻製を置いてまいります。下さらなければ、折角ですが、カンガルーの燻製は、再び私が背負いまして……」
「わかったよ、もうわかった。あの醤め、わしが、珍味に目がないことを知っていて、大きなものをせびりよる。よろしい。では、その設計図をやろう。これが、そうだ。組立のときには、わしに知らせれば、行って指導してやってもいい。しかしそのときは、うんと代償物を用意して置けよ」
そういって、金博士は、大きな青写真にとった設計図を、惜し気もなく密使に渡してしまったのであった。
2
有頂天になって、“人造人間戦車”の設計図を押し戴いて、三拝九拝しているのは、珍らしや醤買石であった。
醤は、サロン一つの赤裸であった。頸のところに、からからんと鳴るものがあった。それはこの土地に今大流行の、獣の牙を集め、穴を明けて、純綿の紐を通した頸飾りであった。