轻松读懂日语经典作品
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にんげんしっかく
人間失格
一个连笑脸都让人毛骨悚然的男人,从童年起就活得像场表演。翻开这本自白,你会看到最深处的孤独和挣扎。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,014 字 · 141 页
高円寺駅附近だけでなく、新宿、銀座のほうにまで出かけて飲み、外泊する事さえあり、ただもう「慣例」に従わぬよう、バアで無頼漢の振りをしたり、片端からキスしたり、つまり、また、あの情死以前の、いや、あの頃よりさらに荒んで野卑な酒飲みになり、金に窮して、シヅ子の衣類を持ち出すほどになりました。
ここへ来て、あの破れた奴凧に苦笑してから一年以上経って、葉桜の頃、自分は、またもシヅ子の帯やら襦袢やらをこっそり持ち出して質屋に行き、お金を作って銀座で飲み、二晩つづけて外泊して、三日目の晩、さすがに具合い悪い思いで、無意識に足音をしのばせて、アパートのシヅ子の部屋の前まで来ると、中から、シヅ子とシゲ子の会話が聞えます。
「なぜ、お酒を飲むの?」
「お父ちゃんはね、お酒を好きで飲んでいるのでは、ないんですよ。あんまりいいひとだから、だから、……」
「いいひとは、お酒を飲むの?」
「そうでもないけど、……」
「お父ちゃんは、きっと、びっくりするわね」
「おきらいかも知れない。ほら、ほら、箱から飛び出した」
「セッカチピンチャンみたいね」
「そうねえ」
シヅ子の、しんから幸福そうな低い笑い声が聞えました。