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「にんげんせんげん」のうちそと
「人間宣言」のうちそと
前田 多門
「文藝春秋」文藝春秋新社、1962(昭和37)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,304 字 · 14 页
こういうように釘をさされた。これには実は私は少し当惑した。いったい、私はこういう事柄には極めて不得手の方で、すでに最初、文部大臣を引き受けるときも、思想方面の事柄については十分の自信がない事を自認しておって、そのつっかい棒になってもらうために、私よりもむしろすぐれている人材を自分の補佐役にしたわけで、たとえば学校教育局長には、東大から田中耕太郎氏に来て頂き、社会教育局長には朝日新聞の論説委員の故関口泰氏、科学教育局長には、東大の山崎匡輔氏といったような方がたを煩わして、陣容を整えたものである。で、せっかくかような大切な時に、身近の補佐役に協力を頼めなかったのは、心細い限りであった。
ただこの場合、一つだけ幣原さんの諒解を得て、草案を書く場合に、唯一の相談相手として国務大臣内閣書記官長の故次田大三郎君、練達堪能の士として定評のある人だが、この人に万事を打ち明けて事を進める手順がとれた。
なにぶん、もうあと一週間しかない。それまでにまとめて仕舞わなければならないので、力は足りず、心は急かれる。まず最初に詔書案に大きく描き出されねばならぬ点は、幣原さんから渡された例の英文の意味である。