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がんりゅうじま

仇討二十一話

直木 三十五

直木三十五『仇討二十一話』。同一底本的分册已合并为一书。收入:巌流島、相馬の仇討、傾城買虎之巻。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,854 字 · 35 页

青空文庫

「誰か来いよう」

と叫んだ。禿(かむろ)と歌浦とが内所へ馳込んだので、五六人も登ってくると、髪を乱して瀬川は身もだえしている。客の一人が、肩を押えながら、倒れて唸っている。

「瀬川」

「親方、離してこの人を、御父さんの敵を討ちます」

「敵討か――敵討なら瀬川、証拠を御役人に見せて」

「いいえ、妾(わたし)は殺されても」

「これ――」

と、親方、目で源八の方を差すと、

「済みません、御内儀(おかみ)さんも勘弁して、もう大丈夫、離して下さい。さ刀も」

と坐ってしまった。役人はすぐきた。そして南町奉行中山出雲守の手から、曲淵治左衛門(まがりぶちじざえもん)と広瀬佐之助の二人が群がる人々を分けながら両三人の目明(めあかし)を連れて入ってきた。

三

享保七年四月二日の事である。客が三人、松葉屋へ登(あが)った。前々からの馴染とみえて、

「これは、御珍らしい」

と御主婦(おかみ)が云った。

「又、四五日御邪魔するで」

と、上方(かみがた)の人らしいが二三日流連(いつづけ)をしていて、

「もう流連(いつづけ)も飽いたな」

大抵、流連(いつづけ)というものは二三日もすると飽き飽きする。