轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
「講談雑記」1936(昭和11)年1月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 页
うか!」
「お母様、お久しぶりねえ」
「…………」
「お別れしたのは十年前の、雪の積もった日でございましたが、……お母様もお変わりなさいましたこと。……でも妾は、このお葉は、もっと変わりましてございます。……苦労したからでございましょうよ。……産みのお母様がご覽になっても、それと知れない程ですものねえ。……妾はお葉でございます……」
「お葉※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
それは譫言のような、魘されているような声であった。よろめきながら立ち上り、よろめきながら前へ進み、松女は近々と顔を寄せた。
「ほんに……お前は……おお……お葉だ! お葉だ!」
グラグラと体が傾ぎ、前のめりにのめったかと思うと、もう親娘は抱き合っていた。しばらくは二人のすすり泣きの声が、しずかな夜の中に震えて聞こえた。
「不孝者! お葉! だいそれた不孝者! 親を捨て家出をして! ……」
やがて松女の感情の籠った、途切れ途切れの声が響いた。
「でも……それでも……とうとうお葉や、よく帰って来ておくれだったねえ。……どこへもやらない、どこへもやらない! 家に置きます。妾の手許へ!」
「お母様!」