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こんにちのにほんのぶんかもんだい

今日の日本の文化問題

宮本 百合子

「思想と科学」臨時増刊号、1949(昭和24)年1月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 页

青空文庫

日本のラジオはこの少数委員会のもつ非常に大きな権限と電波庁との統制をうけることになる。一般の人々が政府案をラジオの官僚統制案とみていることはさけがたい必然である。政府案第十二条は、この五人の委員が「任命後最高裁判所長の面前に於て正規の宣誓書に署名してからでなければその職務を行ってはならない」としている。正規の宣誓書の内容は一般に知らされていない。五人の委員はなにを誓わせられるのだろう。これまで日本の民衆はさまざまの奇妙独善的な人権蹂躙的な誓いをたてさせられてきた。こんにち民衆が自分の未来のためにもっている誓いはただ一つしかない。それは欺瞞のない日本の民主化と自主自立の民族生活をもつことである。新しい五人の放送委員はあらためてそのような誓いをするわけなのだろうか。

なお放送委員会はその職責をはたすために商業、工業、金融、労働、農業、教育、地方自治などの団体代表の意見を徴するようにつとめなければならないとされている。この諸団体のなかに民主的な文化団体があげられていないのはなぜだろうか。一九四六年にはあのように日本民主化のキー・ポイントとして内外から注視された婦人の団体があげられていないのはどうしたわけであろう。