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こんにちのにほんのぶんかもんだい
今日の日本の文化問題
宮本 百合子
「思想と科学」臨時増刊号、1949(昭和24)年1月発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 页
聴取料は四六年四月の二円五〇銭が四六年九月には五円、四七年九月には十七円五〇銭と上っている。
日本の放送事業は財団法人日本放送協会の独占的事業である。半官半民の形態はとっていても、本質的には逓信省の古い官僚の溜り場である日本放送協会は戦前既にプログラムの低調なことで非難を受けていた。戦時中日本の放送は、新聞よりも一層直接な戦争煽動と宣伝の役割を果した。戦争の数年間にラジオが放送した唯一の真実のことは一九四五年八月十五日降伏の宣言であった。すべて虚偽の大本営発表によって日本人民はたぶらかされてきた。
一九四五年八月以後、日本におけるラジオの民主化の問題はきわめて重大な意味をもった。一九四六年一月、GHQはラジオ民主化のために特別な覚書をもって、民間の進歩的学識専門家十数名からなる放送委員会の設立を助けた。放送委員会は日本放送協会から独立した存在である。委員会は官僚的な独占事業である放送事業を民主化するために、第一に必要な機構改革に着手し、従来の戦犯の会長と旧首脳部が退陣したのちに、新しい会長高野岩三郎博士を選んだ。高野博士は、もと東大教授であり、大原社会問題研究所の所長であり、共和主義者と信じられていた。