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こんにちのにほんのぶんかもんだい

今日の日本の文化問題

宮本 百合子

「思想と科学」臨時増刊号、1949(昭和24)年1月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 页

青空文庫

四七年八月十五日に進歩党が提案した宗教情操教育に関する決議案は、田中文相の宗教護持説をただ卑俗化したものにすぎず一般の不評を買った。吉田内閣は自分の文部省の手で文教改革の骨組を決めてしまうことに努力した。きわめて保守的な教育刷新委員会が出来たのもこの結果であるし、人文科学振興委員会が設けられたのもこの意味にほかならない。

公民館運動も全国に起された。外見は全国的に文化センターをこしらえる運動のように見うけられた公民館の「設置運営のしおり」をみると、この本質が民主的とはいえない文化統制を意図したことは明瞭であった。公民館が協力者として連絡をもつべきものとされている三〇ばかりの文化事業団体のほとんどすべてが戦犯的な団体であった。

同じく文部省が編纂発行した『新教育指針』二冊は教師のためのガイド・ブックと予告されていた。しかしその内容は必ずしも民主的な方向を明示しているとはいいがたいことが一般に指摘されている。

文部省の「民主化計画」はこのようにして進められていたが、一方に教師の生活難から引き起こされた待遇改善の要求運動は四六年秋から次第にたかまってきた。