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こんにちのにほんのぶんかもんだい

今日の日本の文化問題

宮本 百合子

「思想と科学」臨時増刊号、1949(昭和24)年1月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 页

青空文庫

から人間にもどした。新憲法は十九条に「思想および良心の自由」、二十条に「信教の自由、政教の分離」、八十九条に「公の財産は宗教上の」団体などのために利用されてはならないことを規定した。

これらのことは近代社会と民主国家の常識である。けれども保守的な日本官僚はあらゆる形であらゆる機会に伝統的神国精神を保守しようとしている。このやり方は戦争協力者の公職からの追放を出来るだけサボタージュして数において最小限に、時間において最大限にひっぱっている。政府は一九四六年十二月になってやっと内務、文部次官通牒として慰霊祭の停止、学校からの忠霊塔の撤廃などについて命令した。

宗教団体法が廃止され、宗教法人令によって宗教団体の設立はやさしくなった。「信教の自由」という言葉は失業しかかった神官たちに救いの綱となった。彼等は保守的な反民主勢力と結びついて「神ながらの道」によって人心の安定をはかるとして一九四六年十二月「神社本庁」を設立した。八五、二九四の神社が組織されている。

仏教は海外の日本植民地にも進出していたことは、アメリカにおける日本人移民の間における僧侶の活動をみても分る。