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こんにちのにほんのぶんかもんだい
今日の日本の文化問題
宮本 百合子
「思想と科学」臨時増刊号、1949(昭和24)年1月発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 页
現在の日本の生活難が原因になって、一部には英語とキリスト教を処世上の一便宜として考える人々があらわれている。ララの物資がキリスト教関係にはゆき渡ることを計算してその方向へ合致しようとしている人々が少くない。また思いがけない南京豆加工という小事業のようなものが、教団関係によって利益を保っている例もある。
物質的・精神的混乱の今日の現実に対して、それを解決してゆく真に民主的な人民の実行力がまだ充分高まっていないために、その隙間を縫って偽瞞的な宗教教育や平和運動が起されている。たとえば仏教の一派であって、もっとも侵略的な闘争主義を精神の中にもっている日蓮宗は、戦争中まっさきに超国家主義と日本の世界制覇を激励した。軍人、ファシスト、街の親分たちの間に信者を多く持っていた。その日蓮宗が一九四七年には「永世平和運動」を提唱し、永世平和学会を組織し、世界に向って一大平和会議を提唱するという計画を発表した。
日本宗教連盟と宗教文化協会とが主催で東京築地本願寺で宗教平和会議を催し、宗教学校の生徒を動員して行進を行わせた。その「宗教平和宣言」は自分たちの戦争協力責任については一言もふれず、宗教は平和を本領とするというようなことが強調されているだけであった。