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こんにちのじもく
今日の耳目
宮本 百合子
「現地報告」1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,228 字 · 11 页
二人とも廃嫡して結婚させた。その通知には、本人の幸福のため廃嫡して結婚致させたるものに御座候という文面が添えがきされていた。
慈悲ある親は、戸主になる可愛い娘の幸福のためには、敢て廃嫡して結婚させてやるような複雑な何ものかが、日本の女の戸主の社会的な条件にこもっていることを、沁々と思わされた。
日本では女の幸福というものの一つの条件が、偶然一人の兄か弟があったということ、戸主でなく生れ合わせた、ということにさえ見られるというわけなのだろうか。
その弁護士さんのようにものわかりよい親があったとして、その娘さんが廃嫡されれば戸主ではなくなるのだから、戸主としてもし与えられる何かの権利があれば、社会的な性質のそれを先ず失うこと、我から失格して、妻の幸福を守らなければならないということにもなる。
そのような幾多の不便をのりこえて現在雄々しく日本の女戸主としての負担を負うて行っている女性たちが、私たち女の戸主はどうなるだろうと、問いかけたい心持を抱くのはまことに自然なことと思える。
彼女たちは一つの世帯の主人でもあるだろうし、そのような立場の国民としてそれぞれの税も納めているであろう。