轻松读懂日语经典作品
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れいじょうアユ
令嬢アユ
朋友佐野君学业不佳,立志当小说家,却整天悠然自得下围棋、钓鱼。太宰治以幽默笔触描绘这位爱摆文人架子的友人,令人忍俊不禁。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,736 字 · 12 页
釣り上げた鮎は、柳の葉ほどの大きさであった。これは、宿でフライにしてもらって食べたそうだが、浮かぬ気持であったそうである。四日目に帰京したのであるが、その朝、お土産の鮎を買いに宿を出たら、あの令嬢に逢ったという。令嬢は黄色い絹のドレスを着て、自転車に乗っていた。
「やあ、おはよう。」佐野君は無邪気である。大声で、挨拶した。
令嬢は軽く頭をさげただけで、走り去った。なんだか、まじめな顔つきをしていた。自転車のうしろには、菖蒲の花束が載せられていた。白や紫の菖蒲の花が、ゆらゆら首を振っていた。
その日の昼すこし前に宿を引き上げて、れいの鞄を右手に、氷詰めの鮎の箱を左手に持って宿から、バスの停留場まで五丁ほどの途を歩いた。ほこりっぽい田舎道である。時々立ちどまり、荷物を下に置いて汗を拭いた。それから溜息をついて、また歩いた。三丁ほど歩いたころに、
「おかえりですか。」と背後から声をかけられ、振り向くと、あの令嬢が笑っている。手に小さい国旗を持っている。黄色い絹のドレスも上品だし、髪につけているコスモスの造花も、いい趣味だ。田舎のじいさんと一緒である。じいさんは、木綿の縞の着物を着て、小柄な実直そうな人である。