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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

岡本綺堂『伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:平家蟹、青蛙神、人狼、五色蟹、木曽の怪物、蟹満寺縁起、怪談劇、小坂部姫、小坂部伝説、江戸の化物。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 203,094 字 · 411 页

青空文庫

というようなことをいいました。

しかし、主税之助は、「ただ火事の時に水を吹いて火を消すというだけではいけない。それは俺の一家の利益に過ぎない。なにか広い世間のためになることをするというならば許してやろう」といいますと、蝦蟇は、「では、火傷の呪を教えましょう」といって、火傷の呪を教えてくれたそうで、その伝授に基いて、山崎家から「上の字」のお守を出していました。それが不思議に利くそうです。

お守りは熨斗形の小さいもので、表面に「上」という字を書いてその下に印を押してあります。その印のところで火傷を撫でるのですが、なんでも印のところに秘方の薬がつけてあるということです。

錦袋円の娘、池の端(いまの台東区池之端一丁目一番、同上野二丁目一一・一二番)に錦袋円という有名な薬屋がありました。ここの娘は弁天様の申し子であったそうですが、ちょうど十八の時に不忍の池に入って池の主の大蛇になったと言い伝えられています。それが明治の初め頃まで不忍の池に棲んでいたそうですが、明治になってから印旛沼の方へ移ってしまったといいます。

化物屋敷、これはとても数えきれません。一町内に一軒くらいずつはあったようです。