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さくひんのテーマとじんせいのテーマ
作品のテーマと人生のテーマ
宮本 百合子
「早稲田大学新聞」1936(昭和11)年9月30日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,492 字 · 7 页
それなら、この社会では、誰でもみんな勤労しているのか? 働けば働いただけきっと幸福になっている世の中だとでもいうのか? 加えて、少年らの心の中には、いったん不良児として銘をうたれ、すべての行動のかげに、いつも何をしても、いわゆるよくない動機だけをさぐり出されなければならないことに対して、我とわが身を破るような人間性の苦しみと悲しみと、訴えるにはくちおしい大人の世界への反抗が燃えているのであろう。
感化院では、よくなったと認められる少年たちを小僧や徒弟に出し、この世で一本立ちになる修業をさせるのであるが、小僧、徒弟の日暮しは、現在の日本では、まだまだ封建的な伝習の中につながれている。その見とおしに向って、一定の希望をつなぎ、常識に順応し、自身をよくしてゆくこと、ひとに使われるもの、命令をされるもの、夜昼よく働いて主人の昼寝を安らかならしめるために、よい者としての自分の前途を明るく眺めることは、はたして彼ら少年にとってたやすいことであろうか。
最近ソヴェトの若い労働者の作家、アヴデンコというひとが書いた小説「私は愛す」が翻訳されて、ナウカ社から発行された。