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さっかにかたりかけることば

作家に語りかける言葉

宮本 百合子

『現代文学論』にふれて

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,928 字 · 16 页

青空文庫

そう云っただけではまだ不充分だ。作品の与える感動の質や強弱や方向や深浅や大小を、具体的に規定している、作品のその関心や理解こそ思想であろう。感動の性質をよそにして作品から思想を抽出し、評価することは出来ない。このように考えられた作品の思想は、作品の骨組みである構成において示される。」

こういう部分は実に面白いと思う。そして本当のことが観察されている。作品の構成が、通俗的なストーリイとしてではなく、「大きな世界をその詳細な見取図において取り扱う」筋として、「人間関係を表示する行為が、決定的に重要な意義をもって来る」ものとして会得した上で、今日流布している長篇小説のあれこれの内部にふれて思い到るとき、そこではどんなに屡々所謂事件の運びが文学本来の人間追求としての筋に代えられていたり、問題の説明としてだけ人間が動かされていたりしているかが理解される。読者としての私たちの胸に、絶えざる満ち足りなさののこされるわけも、うなずかれようというものではないか。

このことは、作者と作品と、作品がそこから創り出されて来る現実との三角関係のありようにもかかわって来ることが、「現代文学の非恒常性」