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さっかのぞう

作家の像

太宰 治

太宰治自嘲式地刻画一个写不出随笔的作家,纸团堆满桌,想说的真话总被自己否定。看他如何在自我怀疑与表达欲之间拉扯。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,508 字 · 8 页

青空文庫

であるから、よっぽど気を付けて書かない事には、あらぬ隣人をさえ傷つける。決してその人の事を言っているのでは無いのだ。大袈裟な言いかたをすれば、私はいつでも、「人間歴史の実相」を、天に報告しているのだ。私怨では無いのだ。けれども、そう言うとまた、人は笑って私を信じない。

私は、よっぽど、甘い男ではないかと思う。謂わば、「観念野郎」である。言動を為すに当って、まず観念が先に立つ。一夜、酒を呑むに当っても、何かと理窟をつけて呑んでいる。きのうも私は、阿佐ヶ谷へ出て酒を呑んだが、それには、こんな経緯が在るのだ。

私は、この新聞(都新聞)に送る随筆を書いていた。言いたい事が在ったのだけれど、それが、どうしても言えず、これが随筆でなく、小説だったら、いくらでも濶達に書けるのだが、と一箇月まえから腹案中の短篇小説を反芻してみて何やら楽しく、書くんだったら小説として、この現在の鬱屈の心情を吐露したい。それまでは大事に、しまって置きたい。その一端を、いま随筆として発表しても、言葉が足らず、人に誤解されて、あげ足とられ、喧嘩をふっかけられては、つまらない。私は、自重していたいのである。