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さっかのぞう

作家の像

太宰 治

太宰治自嘲式地刻画一个写不出随笔的作家,纸团堆满桌,想说的真话总被自己否定。看他如何在自我怀疑与表达欲之间拉扯。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,508 字 · 8 页

青空文庫

「おまえ、日記をつけているようだね。ちょっと貸しなさい。」と何気なさそうな口調で言ったのであるが、家の者は、どういうわけだか、がんとして応じない。

「貸さなくても、いいが、それでは僕は、酒を飲まなくてはならぬ。」頗る唐突な結論のようであるが、そうでは無い。その他には、この随筆から逃れる路が無くなっているのである。ちゃんとした理由である。私は、理由が無ければ酒を飲まないことにしている。きのうは、そのような理由があったものだから私は、阿佐ヶ谷に鹿爪らしい顔をして、酒を飲みに出かけたのである。阿佐ヶ谷の酒の店で、私は非常に用心して酒を飲んだ。私は、いま、大事を胸に抱懐しているのであるから、うっかりした事は出来ない。老大家のような落ち付きを真似して、静かに酒を飲んでいたのであるが、酔って来たら、からきし駄目になった。

与太者らしい二人の客を相手にして、「愛とは、何だ。わかるか? 愛とは、義務の遂行である。悲しいね。またいう、愛とは、道徳の固守である。更にいう、愛とは、肉体の抱擁である。いずれも聞くべき言ではある。そうかも知れない。正確かも知れない。けれども、もう一つ、もう一つ、何か在るのだ。