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さっかへのかだい
作家への課題
宮本 百合子
「囚われた大地」について
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,681 字 · 8 页
もっとも、もしこういう立場から村とそこの人々とを掘りきわめるとなると、作者は全く別な、もっと立体的な構成の方法をとらなければならなかった。
「囚われた大地」の、どちらかというと自然発生的な構成の方法はA村をつよく作者が手もとによせて引つかむには不便な方法であり、また逆に作者によるA村のつかみかたが、この構成の方法に反映しているとも見られる微妙な有機的関係にあるのである。
作者は、細かく農民の日常性をとりあげようと試みている。たとえば農民がひとの着物に対して示す敏感さ、都会の人間やいわゆる学問のあるハイカラな人間や、その習慣に対して抱く警戒、嫉妬をもった皮肉な軽蔑、男女関係についての異常に強い好奇心などを、農民の上におかれている社会関係の重圧と照応するものとして、とらえようとしている。だが、一方では、作者は、作中の主要な人物の一人である与作の村の若衆としてはごく特殊な生い立ちや経歴から来る村民との日常交渉について忽卒に過ぎているのは作品の効果を薄める結果となっている。
作者は、非常に多くの頁を木村のために割いているのであるが、木村の扱いかたについても、私は同様の感を与えられた。