轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しゅじゅのことば

侏儒の言葉

芥川 竜之介

想看看芥川龙之介对世界和人生的毒舌吐槽吗?这本格言集里充满了他的犀利观察,从星星到鼻子,处处是洞见。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,003 字 · 73 页

青空文庫

もし幸福と云うことを苦痛の少ないことのみとすれば、蟻も亦我我よりは幸福であろう。けれども我我人間は蟻の知らぬ快楽をも心得ている。蟻は破産や失恋の為に自殺をする患はないかも知れぬ。が、我我と同じように楽しい希望を持ち得るであろうか? 僕は未だに覚えている。月明りの仄めいた洛陽の廃都に、李太白の詩の一行さえ知らぬ無数の蟻の群を憐んだことを!

しかしショオペンハウエルは、――まあ、哲学はやめにし給え。我我は兎に角あそこへ来た蟻と大差のないことだけは確かである。もしそれだけでも確かだとすれば、人間らしい感情の全部は一層大切にしなければならぬ。自然は唯冷然と我我の苦痛を眺めている。我我は互に憐まなければならぬ。況や殺戮を喜ぶなどは、――尤も相手を絞め殺すことは議論に勝つよりも手軽である。

我我は互に憐まなければならぬ。ショオペンハウエルの厭世観の我我に与えた教訓もこう云うことではなかったであろうか?

夜はもう十二時を過ぎたらしい。星も相不変頭の上に涼しい光を放っている。さあ、君はウイスキイを傾け給え。僕は長椅子に寐ころんだままチョコレエトの棒でも噛ることにしよう。