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はいくはかくかいしかくあじわう

俳句はかく解しかく味う

高浜 虚子

「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页

青空文庫

「春の雨」はのんびりとした、ゆるやかな春雨の時候を言ったのである。唯豪奢な人の春の旅宿を吟じたものともいえるのであるが、その裏面に贅沢を諷する心は十分に在る。それは「馬までも」という言葉で推しはかる事が出来る。作者一茶の如きはその馬にも劣りて、いつも木賃に泊ったものである。

雀の子そこのけ/\御馬が通る    一茶

「下におろ」とか「のいたのいた」とか人払いをして大名の馬が通る。それを見る度に一茶の眼には憤慨の涙がにじみ出たものであろう。この句は雀の子が、まだ十分に羽づくろいも出来ずに道の上に下りておる。そこへ大名の行列が来た、「雀子よ其処をのいたのいた、そうしないと馬にふまれて死ぬるぞ」というのである。雀子に托して百姓などのみじめさを言ったものである。

いうぜんとして山を見る蛙かな    一茶

悠然トシテ見ル二南山ヲ一という陶潜の言葉がある。それを持って来たので、蛙が木の枝にいてぼんやりと一方を見ているのは、悠然として南山を見ているのだな、というのである。前に俗語を使って滑稽の句を為したのと同じく、この句は蛙に対して隠士を形容した言葉を使って滑稽の句を為したのである。