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はいくはかくかいしかくあじわう

俳句はかく解しかく味う

高浜 虚子

「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页

青空文庫

煤掃の埃しづまる葉蘭かな    子規

煤掃をすると家の内は綺麗になるけれども、一時は煤埃が空中に舞い上ってその辺一面に大荒れに荒れるのであるが、その煤掃も終って暫く時間が経つと、空中に散ばっていた埃も自然と地上に静まって来る、その埃は庭の葉蘭の上にも懸っているというのである。葉蘭の大きな葉の上に埃が静まったという事が、いかにも的確に空中全体の埃の静まった事を証明しているような心持がするのである。この句の如きも写生の句である。これで子規の句の解釈も終りとしよう。

以上の解釈で大概俳句というものはこんなものだ、こんな風に解釈すればいいものだという事が判ったことと思う。けれども限りある紙数になるべく多くの句を解釈して見ようと思ったために多くは略解に流れて、一句を詳解するという事は余りしなかった。ここに天明時代の二、三句に向って比較的詳解を試みて本書を終ることにする。

等持院寓居

元日や草の戸ごしの麦畑    召波

この句の作者召波という人は蕪村の門人で、漢学の素養があった人で、卓然とした見識もあったのであろう。蕪村に導かれ、かつ重んぜられておった人で、格調は最もよく蕪村に似ている。