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はいくはかくかいしかくあじわう
俳句はかく解しかく味う
高浜 虚子
「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页
になってしまうことである。この句の表面の意味はそれだけであるけれども、裏面に作者の或意味のあることを認めなければならん。それは何かというと、蜂の巣に初めてちょっと頭の黒い針の尖で突いたほどの小さい子が出来てから、それがだんだん大きくなって、遂に羽根が生え、本当の蜂になって飛ぶようになるまで、この作者は常に親しくその蜂の巣を眺めていたのである。人間の子ではなくって蜂の子であるから、何も成人を待つ、というほどの熱心な待ちようではなくっても、やはり一つのなつかしみを以て、いつこれが蜂になることかと明暮れ眺めくらしていたのであったが、心待ちに待っておればおるほど、なかなか容易に蜂にはならない。何十日も経って漸く蜂になった、というのである。実際蜂の巣にそういう親しみを以て接したことのあるものでないと、「なに蜂の子が蜂になるのか。そりゃすぐだろう。」と訳もなく言ってしまうのである。なんでもない句のようであるけれども、この句が出来た裏面には、そういう作者の忠実な観察があることを忘れてはいかん。
逢ひ見しは女の賊や朧月 太祇
朧にかすんだ春の月の出ておる晩、表を歩いておると、ふと美目のよい一人の女が目についた。