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はいくはかくかいしかくあじわう
俳句はかく解しかく味う
高浜 虚子
「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页
彷彿は「ほのめく」とか、「あるかあらぬか」とか「さもにたり」とかいうような字義を持っている。雛店が上述の如く美しいものであると同時に、手毬というものも赤や青の糸で飾った、形も手頃なまんまるい可愛ゆい美しいものである。手毬一つだけ手に取って見ても美しいものだが、それが沢山一緒に置いてあると、彼の雛店の紅紫相映ずるというほどには行かぬとしても、赤糸青糸相映じ累々乎として錦を織り出しているところは極めて美しいものである。なお雛と手毬とその色において相似を持っているばかりか、その性質からいっても似ている。一は飾り立てられて美しく祭られるのと、一は手に握られて玩ばれるのと相違はあるが、何処か似通っているところがある。その手毬が雛人形や雛道具が並べ立てられた店の片隅に在る。その店に並べられてあるか、上から釣り下げられてあるか、どちらにしても、雛店の一部にうち交ぜられて売られてある。召波はこの場合雛店に彷彿として手毬かな、という句を作ったのである。これで概略この句の意を解し得たものと思うが、更に贅弁を附加して置こう。この「彷彿として」という中七字が、最も作者の技倆を認めてやらねばならぬところである。