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はいくはかくかいしかくあじわう

俳句はかく解しかく味う

高浜 虚子

「俳句は斯く解し斯く味ふ」新潮社、1918(大正7)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 73,016 字 · 144 页

青空文庫

冬木立は点景物にすぎないのである。

鳥の巣のあらはに掛る枯木かな    寒楼

冬木の梢の方を見ると他と違って少し黒ずんで密生したようなものがある。何であろうかと見ると、それは鳥の巣であったのである。常磐木の梢に在るのだとそれほど目立たないのであるが、落葉してしまっている枯木であるから、それが特に目立って見えるのである。

本堂に足場かけたり冬木立    静子

太祇の句同様冬木立の中の寺を見つけたのである。殊にその寺は普請をするために本堂に足場をかけておるというのである。普通の人家でも足場をかけているのは目に立つものであるが、それが寺であるから一層目立って見える、殊に冬木立の中に在るという事が一層その感を強めるのである。以上元禄、天明、明治と並べ立てて見ると多少変化がないでもないが、しかしそれは小異動であって、本書の冒頭に言った通り、俳句は要するに芭蕉の文学であるという事にたいした異論の挿みようがないであろうと思う。天明、明治は芭蕉時代の祖述と言っても間違いはないのである。大正に至ってどう変化するかは未定の問題である。今少し芭蕉の句を験べて見よう。

古池や蛙とび込む水の音    芭蕉