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ロンドンとう

倫敦塔

夏目 漱石

作者留学伦敦时只去过一次塔,之后再也不去。那段日子他像被扔到日本桥的兔子,靠地图和问路才能找到地方,每次都像冒险。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,166 字 · 33 页

青空文庫

心傲れる市民の、君の政非なりとて蟻のごとく塔下に押し寄せて犇めき騒ぐときもまた塔上の鐘を鳴らす。塔上の鐘は事あれば必ず鳴らす。ある時は無二に鳴らし、ある時は無三に鳴らす。祖来る時は祖を殺しても鳴らし、仏来る時は仏を殺しても鳴らした。霜の朝、雪の夕、雨の日、風の夜を何べんとなく鳴らした鐘は今いずこへ行ったものやら、余が頭をあげて蔦に古りたる櫓を見上げたときは寂然としてすでに百年の響を収めている。

また少し行くと右手に逆賊門がある。門の上には聖タマス塔が聳えている。逆賊門とは名前からがすでに恐ろしい。古来から塔中に生きながら葬られたる幾千の罪人は皆舟からこの門まで護送されたのである。彼らが舟を捨ててひとたびこの門を通過するやいなや娑婆の太陽は再び彼らを照らさなかった。テームスは彼らにとっての三途の川でこの門は冥府に通ずる入口であった。彼らは涙の浪に揺られてこの洞窟のごとく薄暗きアーチの下まで漕ぎつけられる。口を開けて鰯を吸う鯨の待ち構えている所まで来るやいなやキーと軋る音と共に厚樫の扉は彼らと浮世の光りとを長えに隔てる。彼らはかくしてついに宿命の鬼の餌食となる。