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はたらくふじんのうたごえ
働く婦人の歌声
宮本 百合子
「婦人画報」1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,768 字 · 4 页
それは自然な事実であると思う。同じ会社でも半官的なところと小さい個人会社とでは、気風も働く条件も随分ちがっているのが実際であるし専門によってもおのずから相異がある。具体的に云えば一つ経営の下でさえ、課が違えばそこの空気も違うというものだろう。
しかしながら、そういう具体的な細部がそれぞれにちがっているほど、日本の働く女性として社会にもっている条件に大差があるのだろうか。このところは私たちを深く考えさせる点だと思う。
実際の条件は同じによくないのだが、勤め先が世間で通っている名のよいために、それで微かななぐさめや自分への矜持を保とうとする若い女性の心理が、今日の働く婦人たちの心からどのくらい無くなって来ているだろう。その点どのくらい成長して来ているだろうか。
工場に働く女性と他の経営に働く女性との間にはちっとも共感のないのがこれまでの普通であった。よその経営に働く婦人たちは自分たちの境遇のつまりのところは、日本の製糸工場で同性たちが受けている待遇とつながったものであるという現実に対して、実に無智であった。自分たちの居場処や服装が糸取りをして働いている同性たちと違っているということだけに視野をとざされていて、働く婦人として社会にもっている関係の本質の共通性をみる生活の力をもっていなかった。