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ぼくはこれからだ

僕はこれからだ

小川 未明

「新児童文化 第3冊」1941(昭和16)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,555 字 · 17 页

青空文庫

もとより、達吉も、いっしょについていきました。

電柱に、「骨つぎもみ療治」と看板のかかっているところから、路次へ曲がると、突き当たりに表側を西洋造りにした医院があります。入り口にぶらさげてあった金網のかごの中に、せきせいいんこが飼ってあって、急にそうぞうしくなったので、鳥はびっくりしたのか、目をまるくしながら、甲高な声でキイー、キイーといって、奥の方へ取り次ぎをするごとく鳴きつづけました。

しかしながら、伯父さんは、打ちどころが悪かったので、ついに五、六日めに亡くなったのであります。

孤児となった達吉に、こうして、また不幸がみまったのでした。彼は、伯父さんが死んでから、後に残った伯母さんと、しばらく途方に暮れていました。勇蔵も、近所の人たちも、同情をしてくれたけれど、生きる道は、畢竟、自分が働くよりもほかにないということを彼は自覚したのです。そのとき、伯父さんの仲のよい友だちであったペンキ屋の親方が訪ねてきて、

「手が足りなくて困っているのだ。おれのところへきて働いてくれないか。」と、いいました。

達吉はすでに働くと決心したからには、どこだってかまわなかった。