轻松读懂日语经典作品
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きょうだい
兄妹
岡本 かの子
「令女界」1936(昭和11)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,011 字 · 4 页
外国文学を読み耽る兄が外国の小説の会話で一々「ねえ、イヴァン・イヴァノヴィッチ」とか「マドモアゼル・イヴォンヌ、あなたは」とかに馴れているせいか、と文学好きな妹は、フランス語の発音に適する兄の美しい男性的な声調に聞き惚れているのだ。だが、兄の語る言葉は、淋しくうら悲しい、思春期のなやみに哲学的な懐疑も交っているのだ。
――国木田独歩は「驚き度い」と言い続けながら、あんなにも運命の偶然性、(前に独歩の小説運命論者を兄は妹に言って聞かせていた)を恐れているのだ。僕達青年も刹那主義や自然主義に人生の端的を教わりながら、実はその一方に、人生の永遠性を求めて止まないんだ。地球があと何万年したら冷えて人類の滅亡が来るとするか僕達の永世をかけての文学と哲学も同時に滅亡することを考えても怖ろしいじゃないか。
……また
――僕達がこうして自然に憧憬して此処を歩いているね。僕達は落つる太陽を睨み、小鳥の声に聞き惚れ、森を愛し道路を懐しんでさ、そして口笛を吹いたり君と合唱したりね……こんなに自然を愛して自然に打ち込んでいたって自然は果して僕達を愛しているだろうか、愛しているだろうかよりむしろ非常に無関心じゃないのかい。