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ひかりをおおうものなし

光を覆うものなし

坂口 安吾

――競輪不正事件――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,115 字 · 24 页

青空文庫

私はその後に至って上申書をだして、右の推定の間違いを取り消したけれども、すでに後の祭である。

すくなくとも私が告発状に早まって推定したような「修正の事実」がないことだけは確かである。彼らがホンモノと称するネガのインチキなカラクリが後日に至って立証されるにしても、ともかく告発状にあるような「修正の事実」がないことは確かなのだ。

だから新聞の記事に於ても「修正の事実がないことが証明された」と云うだけで、「振興会のネガの正しいものであることが立証された」とは云っていないのである。

後日のいかなる事態に至っても責任をまぬがれる伏線は見事に構成されている。しかもこの新聞記事を読み、

「修正の事実がないと証明された」

とあれば、私の「誤解」で、振興会が正しかったと思う。

私の「誤解」と判明した、とあるが、これまた正しいのである。つまり「修正の事実ありとした告発状の推定」は、まさしく私の「誤解」にもとづくもので、それはインチキならざるレースをインチキと誤解したのではなく、「インチキ写真の製造をユニフォームと背番号のすり代え修正」にありと「誤解」しただけの話であるが、「誤解」