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ふたたび「かがくのれきしてきしゃかいてきせいやく」について

再び「科学の歴史的社会的制約」に就いて

戸坂 潤

――岡邦雄氏に答える――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,895 字 · 14 页

青空文庫

を口にする所以である。

自然科学に於ては然るに、自然と考えられる事物と、それの歴史的(社会的)存在との間には間隙が見出されるであろう。そこでは或る意味に於ける生物学的人間はあくまで生物学的に止るのであって政治的ではない。少くとも生物学にとっては、生物学的人間が同時に政治的でなければならないということは問題にはならない。生物学は政治学にまで連続しなければ完結しないのではない。(之が連続したものはスペンサー流の社会学ででもあろうか。)かくて社会科学に於ては自然と歴史とが連続の上で対立しなければならず、之に反して自然科学に於ては、両者が非連続の上で対立しても結構なのである。私が「対立」を口にする所以である。両者に於ける対立・二重性は異る。――自然科学に特有な二重性は、以上のようにしても再び見出されるであろう。自然科学がそれ自身歴史的所産であるに拘らず、恰も夫が歴史的存在をではなくして、之に対立する自然的存在を対象とする、という事実に基く処の、自然科学に特有な二重性を私は前に指摘したが、この特有な二重性を人々は今、上のような形態の下にも重ねて意識することが出来る筈である。