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かんこんそうさいはかせ

冠婚葬祭博士

佐々木 邦

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1937(昭和12)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,762 字 · 30 页

青空文庫

要するに冠婚葬祭博士です。団さんが出て来ないと幕が開きません」

「調法な人ですな」

「皆世話になります。課長連中よりも古くて、社長の懐刀ってことになっていますから、平社員でも一種特別な存在です」

と清水君は団さんの立場を説明した。

僕は勧められるまゝに、その晩、清水君に連れられて団さんを訪れた。直ぐ手近だ。お嫁さんから借家まで団さん夫婦に世話をして貰ったのだった。紹介が終った後へ、

「不思議なことに、宮崎君は小学校があなたと同窓だそうです」

と清水君は話の切っかけをつけてくれた。

「はゝあ。すると○○市の御出身ですか?」

「いや、父の任地の関係で真の少時いたばかりです」

「何処ですか? お郷里は」

「近頃東京へ籍を持って来ました。父は鹿児島ですが、僕は東京生れです」

「成程。お家からお通いですな」

「はあ」

「両親健在、商大出身。然うでしょう?」

と団さんは銓衡委員長として覚えていてくれた。

「はあ」

「◎◎小学校というと、大谷君を知っているでしょう?」

「丁度昨日食堂で偶然にお互を発見しました。しかし僕は後輩です。大谷君の奥さんの兄さんと同級でした」

「風間君と?」

「はあ」