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かんこんそうさいはかせ
冠婚葬祭博士
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1937(昭和12)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,762 字 · 30 页
他の重役も家庭に不幸があると僕に頼みました。自然、神仏耶の儀式に暁通してしまって、人が訊きに来るんです」
「成程」
「社長は子福者です。七人あって、男が四人女が三人です。先ず令息の結婚式を僕が引受けました。何しろお客さんが千人近くも来るんですから大変です。これが又秩序整然一糸乱れずに行きましたから、評判を博して、御長女のを仰せつかりました。今度はくれる方です。重役連中も令息令嬢の結婚式を僕に頼みます。くれる方も貰う方も皆僕が手がけましたから、結納は何うだの式日は何の日が宜いのと故実に通じてしまって、この方も人が訊きに来ます。妙なものですよ。自分でも興味が出て来て研究しますから、好い加減な易者よりも造詣が深い積りです。博士になる筈ですよ」
「ハッハヽヽ」
「世話好きなんですな、元来が。仲人もその頃からチョク/\始めていました。それから親しい同僚が亡くなった時、葬式に采配を振ったのが切っかけになって、社員の家庭に不幸があると、僕が相談を受けます。訊きに来るから仕方がありません。話すよりも行って直接やってやる方が早いという次第で、以来僕は葬儀委員長です」
「全く妙な廻り合せですな」