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きりすてごめん
切捨御免
――貞操なきジャーナリズム――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,731 字 · 10 页
名刺をスラレタ、という証言に対しては、それ以上、追求は不可能であるが、名刺に住所を書いてもらった、という偽証がおかしいから、この点で、容疑をかけられたことにも、必然性がある。
第三に、十万円ほどの金の出所がアイマイであること。この点を追求して明確にすることは最も大切で、この事件の真犯人をあげるとすれば、今日に至っては、こういう点で追求して、真相に迫って行く以外に、さしたる極め手はない筈なのだ。ただ、他の犯罪手段によって金を入手している場合に、取調べが困難フンキュウする怖れがあり、探偵小説のトリックには、こういう場合が大いに利用されているのである。
しかるに、ジャーナリズムは、金の出所などが、最も大切な極め手であることをさとらず、首実検などを重視し、他の更に重要ないくつかの追求が残されているにも拘らず、首実検が終ると共に、容疑薄れる、とくる。その非知性的なること、論断の軽薄なること、まことに、呆れ果てたる有様である。
警視庁側が、七十人の刑事を待機させ、証言に応じて直ちに真偽たしかめに走る用意をとゝのえて調べにかゝったことは、当然な態度で、七十人は少なすぎるぐらいである。