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はじめてにしだきたろうのなをきいたころ
初めて西田幾多郎の名を聞いたころ
和辻 哲郎
在线阅读和辻 哲郎《初めて西田幾多郎の名を聞いたころ(はじめてにしだきたろうのなをきいたころ)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,030 字 · 8 页
哲学者の先生に対する態度にしても、少し後のことではあるが『善の研究』に対する高橋里美君の批評にしても、当時のそういう雰囲気を反映しているように思われる。先生が四高から学習院に移り、わずか一年でさらに京都大学に移られたことも、そういう雰囲気と無関係ではあるまい。東京転任に先立つ数か月、四十二年四月に上京せられた際には、井上(哲)、元良などの「先生」たちを訪ねていられるし、また井上、元良両先生の方でも、田中喜一、得能、紀平などの諸氏とともに、学士会で西田先生のために会合を催していられる。田中、得能、紀平などの諸氏は、当時東京大学の哲学の講師の候補者であったらしい。西田先生はその八月の末に東京に移られたが、九月には井上、元良、上田などの諸氏としきりに接触していられる。そうして十月十日の日記には「午前井上先生を訪う。先生の日本哲学をかける小冊子を送らる。……元良先生を訪う。小生の事は今年は望みなしとの事なり」と記されている。多分東京大学での講義のことであろう。この学期から初めて講師になって哲学の講義を受け持ったのは紀平氏であった。わたくしたちは新入生としてこれを聞いた。