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りしりざんとそのしょくぶつ
利尻山とその植物
牧野 富太郎
「山岳 一の二」1906(明治39)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,115 字 · 22 页
のであるから、それを二人の身体が半分位ずつ入れられるほど結び合せて、その下に木下君と共に腰から上だけを入れるように拵え上げたのである。
この晩は幸にして晴天で、雨の心配はなかったが、風は中々強いので、寒気は膚を徹するというほどであった、実はこの山上から鴛泊の町まで格別の遠サでもないと思ったから、加藤子爵と共に下山した人足が、直ぐに食物と防寒具を持って登ったならば、遅くも九時か十時頃までには来てくれるだろうと思っておった、ところが、十時が十一時になっても誰も登って来るものがない、食物さえも殆ど用意がないので、加藤子爵その他の人の残したのを僅に食した位で、ますます寒気を感ずることが強いので、止を得ずただ無暗と樹の枝を焚いて身体を暖めることになった、後に鴛泊に降って聞けば、我々の焚火が町からもよく見えたので、知らぬ人は不思議に思っていたとのことであった。
充分に眠ることも出来なかったが、先ず無事十一日の朝となった所が、夜が明けても人足は一向に登って来ない、そこで差当り困るのは最早食物は少しもないのである、詮方なく遠くにも行かれず、ただこの附近の植物の採集を始めた、この朝採った