轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かご

加護

宮本 百合子

「大阪毎日新聞(夕刊)」1920(大正9)年8月17日~28日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,147 字 · 33 页

青空文庫

そう思って見ると、お幾には総てのことが明瞭になるような心持がした。

お恵さんの不仕合わせが神のお怒りの結果だとすれば、彼女は神様に懺悔してお詫をしさえすればよいのだ。そうすれば神は許してこの先の不幸は取除いて下さるに違いない。そう心附くと、お幾はもう黙って次に来る不幸まで負わせてはいられない心持がして来た。自分でなくて誰が、そんな先々のことまで案じてあげる者があるだろう。

今ここで天理王命のお慈悲にさえ縋れば将来総てはよくなるのだ。

お幾は、やがて涙に湿った手巾を膝の上で石畳に畳みながら、

「お恵さん、誠にこの度は飛んだことで何とも申しようがございません。けれどもね、今もこうやってつくづく考えて見ると、これはどうしても只事ではないという心持がして、仕様がないのですよ」

と、改まって口を切った。

「ほんとにあまり急でしてねえ……只事ではないとおっしゃると?」

お恵さんは一夜でめっきりやつれた顔を物懶(ものう)げにまげて、お幾を見た。

「あのねお恵さん私――フト今頭に浮んだことなのですがね、あなたが若しやひょっとして、神様のお怒りにでも触れるようなことをなさった覚はありゃあしまいかと思ってね。