轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

けしょうのもの

化生のもの

豊島 与志雄

「世界」1950(昭和25)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,086 字 · 27 页

青空文庫

美枝子は話を外らした。

「それから、おばさま、どうなんでしょうかしら、株の方……。」

「あ、忘れていました。大丈夫、安心しててよさそうですよ。さっきね、高木の奥さまにお目にかかって……御存じでしょう、総理府のあのかたの奥さま……それとなく探ってみますと、船の方は見込みが多そうですよ。あんたもまた、無鉄砲に背負いこみすぎてるようですけれど、まあ今のところ、なんとか辛棒するんですね。望みがありそうですから、手放さないことですね。」

「おばさまは、どうなさいますの。」

「わたしも、時期を待つことにしましょう。それから、ちょっと、あんたを紹介したい方があるから、あちらへ行きましょうか。」

立ちかけて、俄に、恒子は美枝子の手を押えた。

「ところで、あのこと、このままでよろしいかしら。」

「あのことって……。」

「なんですか、顔を赤めて……。」恒子は頬笑んだ。「噂のたてっぱなしで、ほおっといて宜しいかしら。もっとも、相手のひとが誰だか、それこそ、まったく根も葉もないことだし、あんたもこうして、平気で人中に出てるんだから、間もなく噂も消えてしまうことでしょうけれど、なにしろ、問題が問題ですからね。