轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きたのくにのはなし

北の国のはなし

小川 未明

「赤い鳥」1921(大正10)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,920 字 · 6 页

青空文庫

しばらくすると、ほおかぶりをして、えり巻きをした百姓が、その橋の上を通りかかりながら彼の釣りをしているのをながめました

「おまえさん、こんなところでなにが釣れるものかな。こんな川に魚などすんでいやしない。」と、百姓はいいました。

「ほんとうに、この川には、魚がいないのですか。」と、下男は、百姓にききました。

「ああ、いやしない。」

「そんなら、どこへいったら釣れましょうか。」と、下男は、絶望して問いました。

「それは俺にもわからないが、いま時分、釣りをするのがまちがっている。」と、百姓はいい残して、さっさといってしまいました。

下男は絶望のあまり泣き出したくなりました。また糸を巻いて、そこからあてなく、すごすごと歩きはじめました。

頼りなく思うと、じきに寒さが骨肉にしみこんできました。しかし、彼は、一匹でいいから魚が釣れたときのことを空想して、もうそんな寒さなどは身に感じなかったのであります。彼は見なれない人に出あいました。なんとなく、その人は、なんでもよく知っているように思われました。彼は、さっそく、その人にどの川へいったら魚がすんでいるかをきいたのであります。