轻松读懂日语经典作品
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きたへかしがったいえ
北へ傾がった家
山本 周五郎
「朝日新聞」1952(昭和27)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,573 字 · 4 页
これが出来たときは家じゅうでげらげら笑った。きんべえは自分が主謀者だもので、「この上へ電気を付ければ夜なんかでも門だということがわかるわよ」などと主張するのであるが、棒グイの上の門燈では関東配電の工事担当者も乗り気になれないだろう。私もまだそこまでは手が回らない。
だれそれが家を建てたとか買ったとかいうことをよく聞くが税金を払ったうえにそんなことができるかと思うとケゲンの念にたえない。私などはむろん数の内には入らないだろうが、正直に告白すると、お情けで税金が加わってくるので、死ぬまでに払いきれるかどうかわれながら疑わしいというのが現実である。
昔は文筆家などが家を建てると、建つか建たないうちにちょいちょい死んだものであった。知っている人は知っていると思うが、
「だれそれが家を建てるそうだ」
「じゃあそろそろ死ぬな、一杯やろうか」
すぐさま飲む口実にされたものである。そしてふしぎに的中したものであった。
ばん近はそんなことはない。家を建てたぐらいで死ぬような腰抜けではとうてい文筆家は勤まらないらしい。よもやと思うような人でもどしどし建てたり買ったりしているようだ。