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じゅうにしこう

十二支考(下)〔全2冊〕

南方 熊楠

南方熊楠『十二支考(下)〔全2冊〕』。同一底本的分册已合并为一书。收入:十二支考、十二支考、十二支考、十二支考、十二支考、十二支考。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,906 字 · 495 页

青空文庫

石橋君がその著八六頁に『一切経音義』より文、『諸尊図像鈔』より図を出したのをみるに、日本化しない大黒天の本像は八臂で、前の二手に一剣を横たえた状が、現今インドのガネサが一牙を口吻に横たえたるに似、後ろの二手で肩上に一枚の白象皮を張り、而して画にはないが文には足下に一の地神女あり、双手でその足を受くとある。象皮を張ったは大黒もと象頭のガネサより転成せしを示す。ボンベイの俗伝にガネサその乗る所の鼠の背より落ち、月これを笑うて罰せられたという事あり(クルック、一巻一三頁)。大黒像もガネサより因襲して鼠に乗りもしくは踏みおったが、梵徒は鼠を忌む故(一九一五年ボンベイ板、ジャクソンの『コンカン民俗記』八四頁)、追い追い鼠を廃し女神を代用したと見える。

明治二十四、五年の間予西インド諸島にあり落魄して象芸師につき廻った。その時象が些細な蟹や鼠を見て太く不安を感ずるを睹た。その後『五雑俎』に象は鼠を畏るとあるを読んだ。また『閑窓自語』を見るに、享保十四年広南国より象を渡しし術を聞きしに「この獣極めて鼠をいむ故に、舟の内に程を測り、箱のごとき物を拵え鼠をいれ、上に綱をはりおくに、象これをみて鼠を外へ出さじと、四足にてかの箱の上をふたぐ、これに心を入るる故に数日船中に立つとぞ。